【美容&健康コラム】 2024.11.10 Vol,186
MI美容顧問:川戸清弥
皆さんは、お顔のタルミが気になる事はありますか?階段を下りる振動で頬のお肉が揺れたり、フェイスラインがぼやけてきたり、メイクの時に瞼のハリが無くなりアイラインが書きにくい等々…日常生活の中でふと感じる肌のタルミ。そのままにしておくとタルミはいずれシワを作り、表情を変え一気に老け顔に変貌するサインですよ!
今は気にならない方も一度、手鏡を持って上を向いた時のお顔と、下を向いた時のお顔を比べてみて下さい。顔の印象があまりにも違うようなら、確実に肌のハリは失われて来ています。今回の美容コラムは肌の「タルミ」についてお話ししたいと思います。
顔の「タルミ」は、シミやシワの様に肌表面に現れる肌トラブルではない為に見過ごしてしまいがちです。その為「タルミ」に対しトリートメントや予防ケアをしている人は少ないでしょう。しかし「タルミ」は皮膚の衰えを知らせるサインなのです。「タルミ」とは、衰えた肌が重力に逆らえず垂れてしまった状態の事を指しますが、皮膚内部の至る層で発生するのです。筋肉(表情筋)・皮下組織・靭帯・真皮層など、まずは「タルミ」のメカニズムを知る事から始めましょう。
筋肉(表情筋)のタルミ
皮下組織の下に筋肉は存在しますが、顔の場合この筋肉を表情筋と呼びます。この表情筋は皮膚に張り付いており筋肉の低下により肌にタルミが生じます。
皮下組織のタルミ
皮下組織にある脂肪がクッションの役割を果たしていますが、この脂肪の隙間にあるコラーゲン繊維の衰えが原因で表皮層や真皮層を支えきれなくなることでタルミが生じます。
靭帯のタルミ
顔には骨から皮膚に向かって複数の靭帯が存在し、骨から皮膚がずれ落ちない様に杭の役割を果たしています。この靭帯が衰える事により組織自体を支えきれなくなることでタルミが生じてきます。
真皮層のタルミ
真皮層には、血管やリンパ管・神経などが多く存在しており、それを守るかのように繊維成分のコラーゲンやエラスチンが存在しています。紫外線や加齢により線維芽細胞が機能低下し、新たに繊維成分やヒアルロン酸を生成できなくなることで、皮膚が薄くなり弾力を失いタルミが生じてきます。
一言に「タルミ」といっても様々で、皮膚のあらゆるところで発生し始めているのです。イメージ出来ましたでしょうか?タルミの改善は、ただ単にコラーゲンだけを増やせば改善できるわけではないのです。では「タルミ」の原因についても確認し普段から気を付けなければならない点を、チェックしておきましょう。
【タルミの主な原因と注意事項】
紫外線の影響
特に紫外線A波(UV-A)が真皮層に到達する事で、線維芽細胞に損傷を与える事でコラーゲンやエラスチンの生成が低下し、タルミの原因になります。普段からUV剤を使用するようにしましょう。
睡眠不足
睡眠中に分泌量が上がる成長ホルモンは、コラーゲンやヒアルロン酸の促進作用があり肌の弾力性を向上させる働きがある為、睡眠不足はタルミの原因につながります。生活リズムを整え睡眠7時間を確保するようにしましょう。
肥満と減量を繰り返す
太っている人は、一見肌にハリがある様に見えますが、皮下組織にある脂肪が膨らんだ状態が続く事で皮膚は押し上げられ伸びた状態となり、脂肪が減るにつれ伸びた皮膚が元に戻らずタルミとなって現れます。体重の変動と共にお顔の脂肪も増えたり減ったりしますので、急激なダイエットは避け徐々に減量するように心掛けましょう。
無表情の時間
顔の表情や瞼の瞬き、口の動きなど意識的に動かすことのできる表情筋は、足の筋肉と同様に使わなければ衰えタルミの原因に繋がります。適度な運動と同様にお顔の筋肉も動かす時間を作りましょう。一人でテレビを見ている時や本を読む時間も笑顔を作る時間にすると良いでしょう。笑顔は多くの表情筋を動かします。
最後になりますが、タルミ改善には3~4日に1度はシワ改善作用のクリームを使ったお顔のマッサージがお勧めです。クリームを塗るだけでなく定期的にマッサージを心掛けましょう。普段無表情の時間の多い方や、ついつい同じ表情ばかりする癖のある方には特に効果的です。マッサージは、表情筋を刺激し血行を促進しタルミ改善だけでなく、お顔の左右バランスを整えシワ予防や老廃物の排泄にも効果があります。そして顔痩せやムクミ解消にも役立ちます。
お忙しい方も入浴時間などを利用し定期的なフェイスマッサージを習慣にしてみては如何でしょうか?