【美容&健康コラム】 2023.7.25 Vol,124
MI美容顧問:川戸清弥
蒸し暑い夏がやってきましたが、ご自宅でのスキンケアをシンプル使いしている方も多いのではないでしょうか?入浴後等は汗がひくまで化粧水も付けたくないですよね。
ところが冬になると保湿力の高い化粧水をたっぷり付け美容液や乳液を上に重ね、最後にクリームで仕上げると言った具合に、4アイテム・5アイテムをお使いの方も多いはずです。季節や生活環境、そして使う人の年齢や肌質・肌悩みに対応できる様、化粧品アイテムは数多く販売されています。そんな中、いくつもの役割を1つにした化粧品として現れたのがオールインワン化粧品です。
今回のコラムではオールインワン化粧品について少しお話ししたいと思います。
オールインワン化粧品が、店頭に現れたのは1990年代の事ですが、それまでにオールインワンの先駆けとして世の中に誕生したのが、化粧水と乳液が1つになったアイテムが始まりだと思います。
肌が弱い方へ商品数を減らすことで摩擦を出来るだけ避ける事を目的に発売されました。
その後、化粧水+乳液+美容液+クリームを1つにしたオールインワン化粧品が現れ、今ではパック機能やマッサージクリーム機能等々1つ塗るだけで叶えられる機能は7つ8つをPRしたオールインワン商品が増えています。一瞬に注目を集めヒットしたものの消えて行く商品も多い中、オールインワンはこの約30年でしっかり世の中に認知され、今も新たなオールインワンはバージョンアップし続け女性用に限らず男性用も多くリリースされています。
オールインワン化粧品が世の中で認知され、売り上げを伸ばしている大きな理由としては、「便利性」と「安価」といった2つメリットがあると思います。忙しい人にとっては、1品塗るだけですから時間短縮できますし、特に小さなお子さんがいるご家庭では、自分にかけられる時間はかなり限られます。そして何品も揃える事もなく1品購入するだけですから、お財布にも優しいアイテムなのです。そういった女性達からすれば、オールインワン化粧品はスキンケアアイテムの救世主の様な存在なのかもしれません。
では、オールインワン1品だけでのスキンケアと数種の化粧品で一つ一つスキンケアして行くのとどちらが肌にとって良いのでしょうか?
ここからは私の考えですが、化粧品の設計を行うとき1番に心掛けている事は勿論肌につけた時の安全性ですが、商品コンセプトを決め開発が進み試作品を手に取る時、私は肌に対する水分の働きを重要視してチェックするようにしています。
化粧品には多くの有効成分が配合されますが、まずは「水分の働き」を考えるのです。この商品を付けた時に、「肌の水分量が増し→その水分が持続し→蒸発しない」この3つのレベルを追求すればするほど、1品では限界があると私は思っています。
最初の問いに戻りますが、このことから私は、1品1品のアイテムには確固とした役割があり、1品で成し遂げられる機能には限界があると思っています。ただオールインワン化粧品1品でも、毎日のスキンケアを忘れないでいただきたいと思いますし、皆様には「今日の自分の肌にはどのようなケアが必要か?」といった毎日の肌観察と、アイテム毎の役割を見分ける知識を身に付けて頂きたいと思います。
広告に惑わされず肌が喜ぶスキンケアアイテムを選び、日々の肌ストレスケアに役立てていきましょう。