【美容&健康コラム】 2024.7.10 Vol,170
MI美容顧問:川戸清弥
皆さんは「髪の毛」についてどれくらいご存じですか?「おぎゃあ~」と生まれた時には既に赤ちゃんの頭には「髪」が生えていますよね。お母さんのお腹の中に居る時から生え始める「髪」とはどのような役割を持っているのでしょうか?今回のコラムでは、「髪」についてお話ししたいと思います。
全身を覆う皮膚には、手の平と足の裏・唇以外毛穴が存在し「毛」が生えています。特に頭部にはしっかりした「髪の毛」が密集して生え2~6年間も成長し続けます。この「髪の毛」はなぜ胎児の時から生え始めるのでしょうか?胎児といっても「髪」は妊娠約18週(4ヶ月半)頃より生え始めるようです。勿論この頃に頭に生える毛は、産毛(うぶげ)で柔らかく細い毛です。そして妊娠約32週(8ヶ月)頃には、産毛から軟毛へと少しだけ毛はしっかりし始め色素が現れ始めます。生まれてすぐの赤ちゃんの頭部には毛量や長さに違いはありますが、「髪の毛」が生えており生後6ヶ月頃より大人と同じ髪に生え変わり始めるのです。
ではここで「髪」の主な役割を確認しておきましょう。
- 頭部を衝撃から守る役割
- 厚さや寒さから頭部を守る役割
- 直射日光(紫外線)から頭部を守る役割
- 体内に溜まった老廃物や有害物質を排泄する役割
以上が「髪」の主な4つの役割です。
胎児は既にお母さんのお腹の中に居る時から頭部に髪を生やし、衝撃から頭を守る準備をして生まれてくるのです。人間が二足歩行し始めた約700万年前より、全身に長く生えていた毛は徐々に退化し始めますが、唯一頭部だけは現代も約10万本の「髪の毛」が頭部には存在して居ます。
では「髪」は何で出来ているのでしょうか?大部分はケラチンタンパク質といって18種類のアミノ酸で構成されており、シスチン結合によって非常に丈夫にできています。それ以外にも脂質やメラニン色素から構成されています。1本の「髪」は大きく3層に分かれており、お寿司のかっぱ巻きに例えると、中心にあるキュウリ部分をメデュラ(毛髄質)・酢飯の部分をコルテックス(毛皮質)・海苔の部分がキューティクル(毛小皮)からなります。メデュラは柔らかなタンパク質の多孔質構造で産毛には存在しません。「髪」の85%~90%を占めるコルテックスは、繊維状の束が幾つも存在しており、髪の強度や艶・太さ髪色に大きく関わっています。そして水分を保持しているのもコルテックスです。
最後にキューティクルですが、キューティクルは「髪」の表面に透明な鱗状のものが毛先に向かって重なって存在し、髪の内部組織を守る役割をしています。しかし魚の鱗と違い濡れると柔らかくなり、このタイミングに摩擦すると欠けたり剥がれたりしやすい為、洗髪の時や髪を乾かす際のブラッシングには特に注意が必要です。
「髪の毛」は死んだ細胞が頭皮にある毛穴から押し出された物で神経もありませんから、切っても痛みは感じませんしドライヤーの温風も熱くありません。その為ついつい雑に扱ってしまいがちですが、一度ダメージを受けると元には戻りません。毛包の底で毛母細胞が分裂と増殖を繰り返しながら1日に約0.3mm~0.4mmの「髪」を作り出します。そう考えると今生えている「髪の毛」を傷めない様注意し、日々のヘアケアを丁寧に行う事が大切です。