【美容&健康コラム】 2023.5.25 Vol,116
MI美容顧問:川戸清弥
前回の美容コラムでは肌トラブルのほとんどが「ターンオーバー周期の乱れ」が原因であるとお話しました。そんな「ターンオーバーの乱れ」に直接アプローチしてくれる美容成分のお話を、今回の美容コラムではテーマにしたいと思います。
本来、肌のターンオーバー(新陳代謝)は表皮の基底層に存在する母細胞が新しい細胞を産み続けているからこそ成り立っています。しかし前回のコラムでも述べた様に、母細胞は年を増すごとにエネルギー不足となり、28日で行っていたターンオーバーのサイクルが45日・50日とどんどん遅くなり10代の頃なら直ぐに元に戻った日焼け跡や傷の修復にも時間を要するようになってしまいます。これは体内でEGFの分泌量が減少する事が原因と言えるでしょう。そしてショックなのは男性より女性の方がEGF分泌量の低下スピードが早いと言ったデータもあります。
エネルギー不足となった母細胞に直接働きかけ、ターンオーバー促進・細胞の修復等のお手伝いをしてくれる注目の美容成分は、Epidermal=表皮・ Growth=成長・増殖・ Factor=因子の略でEGF(上皮成長因子)と言います。(表示成分名:ヒトオリゴペプチドー1)既にご存じの方もいらっしゃる事でしょう。美意識の高い方々の間ではEGF配合化粧品の愛用者が多いのではないでしょうか?最近よく耳にする様になった幹細胞化粧品にも微量のEGFが含まれており、数年前からは直接肌細胞にアプローチする美容成分が世界でも人気のようです。
優秀な原料であっても細胞に届かないのでは、効果は期待できません。その為化粧品原料製造の分野でも、EGFが母細胞にしっかりアプローチ出来るように、近年ではEGFの純度も高く、ナノカプセルでEGFを内包する事でタンパク分解酵素から守るナノカプセル化や肌表面のレセプターに効率よく届くように浸透性も高いEGF原料が生産出来るようになっています。発見当初は1g価格が8,000万円と言われた原料でしたが、製造技術とバイオ技術の進歩により原料価格も以前と比べ低くなりましたが、まだまだ高額な化粧品原料の一つと言えるでしょう。
ファッション業界の様に、化粧品業界も数年に一度原料ブームがあります。「EGF」も一時的なブームで終わるのではないかと言った人もいましたが、現在でも根強い人気があるのは、EGF配合化粧品を使用された方々からのリピートです。EGF原料はまだまだ高額の為、決してEGF配合化粧品は安価ではありません。にもかかわらずリピート率が高いのは、肌への効果を実感されている方が多いからでしょう。私が言うまでもなくこの事実がこの成分の実力なのです。元々私たち体の中に存在して居るEGFは、25歳頃より急激に減り始めます。それをEGF配合化粧品で補う事が出来れば肌トラブルの改善や老化肌へのアプローチも夢ではないのです。EGFが日本で化粧品配合の認可が下りて約18年になりますが、現在でも美容外科・化粧品業界で高い評価と安全な美容原料として支持され続けています。