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肌の常在菌バランス

肌の常在菌バランス

【美容&健康コラム】 2025.6.10 Vol,214
MI美容顧問:川戸清弥

 

私達の皮膚には細菌が棲み着いている事は、ずいぶん昔から知られています。しかし正確な数や種類・働き等詳しくは解明されていませんでした。しかし最近では新たな解析システムなどにより徐々にではありますが、体内に関わらず皮膚に共棲する膨大な数の細菌が人間の健康に大きな影響を与えている事が明らかになってきています。そこで今回は皮膚の常在菌バランスが崩れていないかチェックする事にしましょう。

目には見えませんが私たちの皮膚には、1㎠あたり約数十万~数百万個の細菌が生息していると言われています。健康な肌の上でも常在菌の種類や数は常に変化しており、思春期を迎えた頃から常在菌の数が減って来るといったデータもあります。確かな事は分かりませんが皮脂腺からの分泌成分の変化によるものではないか、と言われています。
そして皮膚の部位によってもその種類や数は様々で、年齢や環境・気候や体調・スキンケアによっても常在菌のバランスは常に変化する様です。最近では腸内フローラと皮膚の常在菌との関係についても研究がされています。何故なら腸内細菌のバランスが崩れる事で皮膚の免疫システムに大きな影響を及ぼす事がわかってきたからです。皮膚の免疫システム、即ちバリア機能が壊れると様々な皮膚疾患を引き起こします。代表的な例がアトピー性皮膚炎でしょう。
疾患とまではいかなくてもバリア機能が壊れ始めると色々な物に反応し始め肌は敏感になり、日々の生活やスキンケアに注意が必要となります。そこ事により精神的ストレスを抱える事になるでしょう。私たちの皮膚に棲みついた常在菌は絶妙なバランスを取りながら健康で潤いのある肌を維持するのに日々働いてくれている事を忘れないでおきましょう。

しかし、目に見えない常在菌のバランスを確認するにはどうしたらよいのでしょうか?毎回肌の常在菌を採取し専門機関に送って培養し分析してもらう訳にもいきません。そこで常在菌バランスが崩れる事によっておこる肌状態を下記に記しますのでまずはセルフチェックしてみましょう。当てはまる項目があればあなたの肌の常在菌バランスは崩れ始めているのかもしれません。

 

【常在菌バランスのセルフチェック】

※当てはまる項目の□にレ点を入れて下さい。

1.□‐ニキビや吹き出物が気になる

2.□‐肌荒れ(粉吹き)している個所がある

3.□‐原因は分からないが肌に痒みを感じる事がある

4.□‐清潔なメイク用品を使用しているのにメイク崩れする

5.□‐痒みを伴う炎症や湿疹が気になる

6.□‐スキンケアしているのに乾燥し、肌のかさつきが気になる

7.□‐傷や炎症の跡が治りにくい、又は治るのに時間がかかる

8.□‐しっかり保湿ケアしているのにチリメンジワが増えてきた

9.□‐毛穴のつまりが気になり始めた

10.□‐今まで使用していた化粧品に刺激を感じる様になった

11.□‐季節の変わり目には必ず肌の調子が悪くなる

12.□‐肌に赤みがありオイリー肌である

1~12の項目に思い当たるものはありましたか?いくつレ点が付きましたか?気になる項目があった方は常在菌バランスが乱れ始めています。特に2・3・5・10・12番にレ点が入った方は、既に肌が弱酸性に保てずバリア機能が低下し敏感な状態と云えるでしょう。

常在菌バランスが崩れる大きな原因の一つに洗顔方法があります。洗いすぎ!擦り過ぎ!です。この様な洗顔を繰り返していると皮膚にとって大切な常在菌を減らしてしまいます。常在菌の約80~90%は洗顔時に洗い流されていると言われていますが、毛穴や鼻腔内に存在してる常在菌の繁殖によって20分程度で元に戻ります。
しかし界面活性剤の強い洗顔料やクレンジングを使い一日何回も洗顔を繰り返していると、常在菌の量は減りバランスが崩れ次第に肌トラブルへと発展してしまいます。スキンケアの基本は洗顔からといいますが、クレンジングと洗顔料は価格や手軽さだけで選ばずに、肌に負担のかからない物を選び強く擦らず使用量を守り、正しく使う事がとても重要です。

最後になりますが、上記セルフチェックにレ点の入った方は、この梅雨の湿度の高い時期を利用し肌に負担の無いよう、常在菌バランスを整えてはどうでしょうか?バランスが崩れた状態をまずはリセットし皮膚が本来持ち備えているバリア機能(免疫システム)を強化する事が、リンクルケアやホワイトニングケアを行う前にとても大切なスキンケアといえるでしょう。ご興味のある方は下記方法で「育菌ケア」を30~60日間お試しください。徐々に肌の力が蘇りキメが整い肌の色が明るくなり肌本来の艶を取り戻すはずです。

執筆者プロフィール

川戸 清弥
川戸 清弥顧問
ドイツ留学にて、皮膚理論や毛髪理論、エステティックの技術などを学び美容外科・皮膚科で美容カウンセラーを経験。現在は多くの企業やエステサロンと契約して化粧品プロデューサー、ビューティーアドバイザーとして海外でも活躍中。

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