【美容&健康コラム】 2023.5.10 Vol,114
MI美容顧問:川戸清弥
私は仕事柄、化粧品選びについてよく質問を受けます。「先生、私はどんな化粧品を使うのが良いのでしょうか?」とか「頬のこのシミが気になるのですが、どこの美白化粧品が良いのでしょうか?」等々皆さん化粧品選びには悩み迷われているようです。今回のコラムでは、そんな化粧品選びに役立つアドバイスになればと思います。
お肌の悩みのほとんどは、「ターンオーバーの乱れ」がきっかけになっている事をご存じでしょうか?ターンオーバー即ち肌の新陳代謝には、一定のサイクルがあります。このサイクルが乱れてくると、次々に肌悩みが増えてきます。年齢を増すごとにターンオーバーは徐々に遅くなることはご存じの方も多い事でしょう。ターンオーバーは遅くなる事だけが問題ではなく、速くなる事も大きな問題です。ここでは、遅くなったり速くなったりする両方の事を「乱れ」として下記の文章で表現させていただきます。
このターンオーバーを如何に正常なサイクルに保てるかが、美肌作りの鍵といっても良いでしょう。しかし基底層に存在する母細胞のエネルギーは年々不足して行き、20代30代の肌でも日焼けや間違ったスキンケアでターンオーバーは直ぐに乱れてしまいます。ではターンオーバーが乱れる事で、肌にはどのようなトラブルが起こるのでしょうか?居座りシミの原因はターンオーバーが遅くなる事で起こるのはご存じでしょうか?しかしターンオーバーの乱れからくる肌トラブルはシミだけとは限りません。ターンオーバーが乱れると、肌表面のキメが粗くなり毛穴も目立つようになります。そして潤いを維持できなくなり肌は乾燥し始めます。そしてクスミや小ジワと言った肌トラブルが目立ち始め、その状態が続く事でバリア機能も低下し始めるのです。そうなると、季節の変わり目の一時的な「揺るぎ肌」が慢性的な「敏感肌」へと進行してしまう事もあります。その為ターンオーバーが乱れ無いように十分注意し正しいスキンケアでお肌を守る事がとても大切です。
化粧品選びでは、シワケア・シミケア・アンチエイジングケアと肌悩みに対しスポットにケアできる化粧品に注目が集まりがちですが、今年の春の様に寒暖差が激しいと、ターンオーバーが乱れ敏感肌に移行してしまう方も多い為、面倒ですが「さっぱり系」と「しっとり系」2種類を使い分ける努力が必要です。お持ちの化粧品全品を2種類準備する必要はありませんが、最後に使うクリームだけ2種類準備しておけば、その日の気候や湿度によってクリームを使い分ける事で肌の水分コントロールが出来ます。まずは保湿力に優れたクリームを1品持っておくことをお勧めします。
最後に肌表面はケラチンというタンパク質の一種です。熱よりも摩擦に弱い特徴を十分に理解し、毎日のスキンケアを行って下さい。洗顔中や汗をかいた時等濡れている時の摩擦は最悪です。丁寧にケアしないとターンオーバーの乱れる原因になり兼ねませんのでくれぐれもご注意を。
次回美容コラムでは、エネルギー不足となった母細胞に直接働きかけターンオーバー促進のお手伝いをしてくれる世界でも注目の化粧品原料について、お伝えしたいと思います。ぜひお楽しみに。