【美容&健康コラム】 2025.4.25 Vol,208
MI美容顧問:川戸清弥
GWが目の前ですが、そろそろ夏用スキンケア商品の準備は出来ていますか?ファンデーションやメイクカラー用品などは季節によって流行が変わる事もあり買い替える方は多い様ですが、スキンケア商品は年中同じものをご愛用されている方が多いようです。スキンケア商品も洋服と同様季節によって衣替えを行う事が大切です。
そこでこの季節肌カウンセリングにお見えになった女性からよく質問を受けるのが「夏でもクリームは使う必要がありますか?」といった質問です。美容コラムの読者さんの中でも今更聞けない質問内容の一つではないでしょうか?そこで今回の美容コラムでは、この質問に対して解説したいと思います。
化粧品アイテムの中には、化粧水・ミルク・美容液・クリーム等様々なアイテムがあります。年齢や肌質・肌悩み・季節やライフスタイル等様々な条件からスキンケア商品を選び購入されるわけですが、個人個人お使いのアイテム数は違うことでしょう。現在お使いのスキンケア商品は何品お使いですか?最近ではオールインワン商品をご愛用の方も多くスキンケア商品は1品なんて方もいらっしゃいますが、オールインワン商品ご愛用者の方はさておき、それ以外の方が必ずお使いなのは化粧水ではないでしょうか?洗顔後まずは化粧水を付けその後にミルクなのか?美容液なのか?クリームなのか?
そこで知っておいて頂きたいのがスキンケア商品のアイテムの分類です。基本配合されている油性成分の量によって、アイテムの呼び名は違います。多少メーカーによって呼び名が違う事もありますが、油性成分の少ない方から化粧水➡ミルク➡クリームといった具合です。美容液に関しては、これもメーカーの考え方で化粧水とミルクの間又はミルクとクリームの間と油性成分の量が違う美容液が存在しているのは事実です。肌悩みに直接アプローチする目的の美容液は浸透にこだわりミルク以上に油性成分の配合量が比較的多い物ですが、最近は有効成分がナノ化(1㎜の100万分の1)されている物も多く、美容液だからとわざわざ油溶性分の配合率を上げ浸透率を考慮する必要はなくなりました。
先述の質問にあった「夏でもクリームは使う必要がありますか?」の夏といった時期ですが、日本の夏は湿度が高く、乾燥の心配はいらない様に思います。高温多湿によって皮膚温は上がり汗や皮脂の分泌量も増え、肌表面はしっとりを通り越してベトベトした不快な状態になったりもします。その状態でわざわざ「クリーム」を塗る必要はないと判断し夏はクリームを使用されていない方も多いでしょう。ではここで油溶性分の量が多い「クリーム」が肌にとってどのような働きをしているのか確認してみましょう。
【クリームの役割】
- 肌に潤いを与える。
(ヴェールを形成し健康な肌表面の環境を保つ)
- 肌を保護する。
(バリア層の強化によって肌を守る)
- 肌の乾燥を防ぐ。
(水分の蒸発を防ぎ化粧水や美容液を閉じ込めておく蓋の役割)
上記3つの効果が期待できるのが「クリーム」ですが、本来皮脂腺の働きが活発なのは20代前半位までですから、この年齢の方にはクリームを使う必要はなくミルクでも十分かもしれません。しかし皮脂腺は20代後半から徐々に活性が低下し、個人差はありますが分泌量も減り始めます。特に40代になると皮脂腺の活性低下は顕著に現れます。そして注意して欲しいのが、皮脂腺が活発な20代であっても毎晩メイクを落とす為のクレンジング・洗顔などW洗顔後は肌表面に皮脂膜が全くない状態になります。にもかかわらず油分(クリーム)を与えない事で必要以上に皮脂腺が活発になり過剰分泌する事で毛穴が目立ちはじめ角栓となりニキビに移行する事があるため、クリームを上手く取り入れ肌の油分と水分のバランスを整えるスキンケアを心掛ける事がとても大切です。
「クリーム」が肌の為に大切な事は分かるが、それでも「夏」は汗や皮脂で肌表面がベトベトしてどうしても使いたくないとおっしゃる方もおります。しかし春から夏にかけての強い紫外線や冷房による湿度の低下・あっさり系の食事等が原因で肌の内部(角層内)はカラカラになってしまっている事が多いのです。この様に夏のダメージによりインナードライ状態で秋を迎えると、肌はあっという間に乾燥状態になり、表面がごわつき硬くなり、シミ・くすみ・シワ・たるみ等、様々な肌トラブルが現れ始め、インナードライの状態が続く事でターンオーバー周期が乱れる事から肌老化は確実に加速します。特に40代以降の方は肌表面の状態と肌の内側の状態は決して同じでは無い事を意識し、夏でもしっかりクリームを使いインナードライ状態にならない様毎日「クリーム」でケアする事を心掛けて下さい。
最後に、クリームも様々な種類の物があります。オールシーズン使える物もあれば、夜専用やポイント使い出来る物もあります。大切なのは今の肌状態を認識し季節や環境に合った商品を選び、正しく使う事です。昨年の肌状態と今日の肌状態は決して同じでは無いはずです。あれもこれもと数多くのアイテムを塗り重ねるのではなく、適量を毎日使う事が基本です。まずは肌カウンセリングを受け、この夏に必要な「クリーム」を選んでみて下さい。