【美容&健康コラム】 2023.6.10 Vol,118
MI美容顧問:川戸清弥
先日出版関係者の方とお話しする機会がありました。ファッションやコスメ雑誌は出版継続が難しい中、お金にまつわる本と長寿に関する本は別格のようです。この話以前も聞いた気がするのですがいつの日も誰もが共通して関心のある情報はこの2つのようです。今回のコラムでは、「健康長寿」をサポートしてくれる物質として世界で最も注目を集めている「NMN」について私なりにお喋りしたいと思います。
既にご愛用されている方もいらっしゃると思いますが、私がこの名前を耳にしたのは、ちょうど1年半くらい前に、ある知人からの情報でした。その方は若い時に大病をされた経験から健康への意識がかなり高い方で、クリニックでNMNの点滴を受けているとのことでした。「それって何ですか?」とお尋ねすると。その方は、得意げに「最新の若返り薬なんだよ」と仰いました。そんなうろ覚えの記憶から1年半がたち、今ではインターネット通販でも数多くのメーカーからサプリメントとしてNMNは発売されています。
日本では2020年3月に厚生労働省より非医薬品リストに新規登録され、一気に市場の注目を集める事となったNMNですが、値段や含有量・単体だったり他栄養素との混合のタイプだったりと商品スタイルは様々です。サプリメントはどうしても苦手と言われる方がありますが、NMNは食品だけではなかなか摂るのが難しいようです。緑黄色野菜のブロッコリー100g(大き目の房4個分くらい)の中に約0.25~1mgしか含まれていないそうですから、例えば200mgのNMNを摂るとしたらブロッコリー800房を食べる必要があります。決して1日で食べられる量ではありません。
抗老化の研究は、あらゆる分野で研究が進んでいます。勿論化粧品業界でも抗老化については追及し続けています。抗老化と言えば1990年ごろから「寿命を延ばすには…」と云ったワードに対し意識が集まり、人間は125歳まで生きられる。なんて事も言われました。2000年に入ると「健康寿命を延ばす」と健康志向はますます高くなり、2008年以降は、「疾患への予防・治療」へと変化しつつあります。アメリカの女優さんが自分の遺伝子を調べた結果、乳がんのリスクが高い事が分かり、予防として両乳房切除を行ったニュースを覚えていますか?あれが2013年ですからまさに疾患への予防だったのです。
そんな時代に「若返りサプリ」として登場したNMNはこれからどんどん研究が進み多くのエビデンスが発表される事でしょう。NMN配合化粧品も色々発売されつつありますが、NMNは経皮吸収しにくい物質のため如何に効率よく経皮吸収させるかに期待が寄せられています。私がNMNに一番期待するのはサーチュイン遺伝子の活発が、多くの病気の予防や臓器の機能低下改善につながるのではないかと言われている点です。近い将来サーチュイン遺伝子の低下し始める30代からは誰もがNMNを摂取し、多くの病気予防が当たり前になるかもしれませんね。想像するとワクワクしてきませんか?