【美容&健康コラム】 2022.6.10Vol,70
MI美容顧問:川戸清弥
今回の美容コラムでは、多くの化粧品に配合されている「植物エキス」のお話をしたいと思います。化粧品に配合されている植物エキスは、西洋のメディカルハーブや日本をはじめとする東洋の和漢生薬など、古くからの知恵と経験の中で培われてきた植物の効能効果を基本とし、化粧品やサプリメントにも数多く用いられています。
植物の効能効果と言っても、「根」を使うのか、「葉」「茎」「花びら」等の部分を、どのような抽出方法によって抜き出すかによっても効能効果が変わり、ウコンのように秋ウコン・春ウコンなど収穫する季節や産地によっても効果に違いがあると言われています。例えば同じ産地のワインでも、その年は雨が多かった。少なかった。と天候によっても微妙に違いが出るそうです。そしてもっと複雑なのは単独で使うよりも複数のエキスを組み合わせる事で相乗効果を発揮すると言われています。そんな複雑なパワーを持つ植物エキスですが、今回は上記商品に配合されている「ユーカリ葉エキス」に焦点を絞ってお話ししたいと思います。
ユーカリ属の植物は成長が早く100m以上に成長するそうです。その為幹は木材や製紙原料として活用されてきました。葉は古くから肌トラブルに効果があるとされ民間療法などで利用されてきた歴史があります。ユーカリ葉エキスは勿論ユーカリの「葉」から抽出した液体の原料で、麦茶の様な茶褐色で清涼感あふれる爽やかな香りがします。日本でも最近はこの特徴的な香りを好まれる方も多くアロマオイルとしても人気があります。特に抗菌効果に優れており、鼻づまりや喉の痛み等風症状の際はハーブティーとして飲用したり、ユーカリ油なら入浴剤として用いたり希釈してマスクにスプレーするのも良いでしょう。リフレッシュや集中力をアップしたい時には是非お試しください。
ユーカリ葉エキスの肌への効果として代表的なのが、肌荒れやニキビでしょう。最近注目の揺らぎ肌(季節の変わり目などに不安定になりがちな肌)の方にも肌の常在菌バランスを整え健やかな肌つくりにも効果的です。しかしユーカリ葉エキスには別にも凄いパワーがある事が分かってきました。それはコラーゲンを壊す「コラゲナーゼの活性阻害作用」(コラーゲンを壊さない働き)と同時に「Ⅰ型コラーゲンの産生促進作用」(新たにコラーゲンを作る働き)も認められています。このW効果でタルミやシワを防いでくれる期待の植物なのです。最近では、男性型脱毛症の原因の一つでもある男性ホルモン抑制作用がある事が分かってきました。
ユーカリ葉に限らず植物には多くの効能効果が認められており、これからも新たな効果が解明されることでしょう。そして前に述べた様に複数のエキスを混ぜたブレンド効果についても研究が進む事でしょう。安定した原料供給と安全性を確保するために近年では植物細胞培養技術も進んでいますので原料価格においても期待できます。
お好きなアロマオイルを焚いたお部屋で、植物のパワーがたっぷり入った化粧品を使ってゆっくりスキンケアする時間は、お肌と心のリフレッシュに最高です。是非日常生活に取り入れてみて下さい。