【美容&健康コラム】 2021.4.25 Vol,16
MI美容顧問:川戸清弥
今月のコラムは、「毛」についてお話ししたいと思います。
「毛」とは、頭髪や全身に生えている物を指します。
まずは基本的な事からお話ししていきましょう。
「毛」は皮膚の付属器官です。
付属器官には汗腺・皮脂腺・立毛筋や爪も皮膚の付属器官に属します。
「毛」の役割は、外界からの刺激に対し身体を守り保温する事が大きな役割ですが、人間は進化とともに衣類を身に着け、家に住み現代では冷暖房完備の環境下から「毛」は徐々に退化していきました。
陸に生息する哺乳類には、ほとんど全身に毛が生えています。
毛は体を保護してくれ、水をはじき、夏の暑さや紫外線、寒さなどからも守ってくれ風の方向を感じ取るなど大きな役割を果たしています。しかし人間は徐々に体毛が必要なくなり、髪の毛だけは現在も退化することなく頭を守るために存在しています。そして保護が必要な腋や陰部には思春期頃から毛が生え始めます。
「毛」は全身に約140万本生えていると言われており、その内頭髪は約10万本生えているそうです。
頭髪は毎日少しずつ伸び続け1ヶ月に約1.2cm伸びます。頭髪は3つの層でできており表面には鱗状の毛小皮(キューティクル)があり、その内側にメラニン色素を含んだ毛皮質(コルテックス)、中心部に毛髄質(メデュラ)が存在します。
この毛髄質が毛球部に運ばれてくる栄養分を毛に供給しています。
だからといって毛先まで栄養分が運ばれているわけではありません。
「毛」には、太さや色・形に違いがあります。
太さは生えている部位によっても違いがありますが頭髪だと日本人は平均0.08mmで欧米人は0.05mmというデータがありますので、日本人は欧米人に比べ1.5倍程髪が太いようです。
男性なら思春期から生え始める髭などは特に太く、個人差はありますが約0.15mmで、生まれた時すでに生えている産毛などは約3~4ミクロン(0.003~0.004mm)です。
産毛に関しては2歳~3歳の間に全部抜け落ち、その毛穴から新たに軟毛が生えてきます。
日本では赤ちゃんの頭髪を剃って記念に筆を作る様な風習もありますが、この筆は産毛を使う為2歳になるまでに作られる方が多いでしょう。
毛の量においては欧米人に比べて東洋人の方が少ないようです。
色においては、日本人は黒毛ですが、人種や年齢の違いにより金髪や白髪・赤毛の人もいます。
これは、前にお話ししたように毛皮質に含まれるメラニン色素に違いがあります。
メラニン色素には黒褐色系(ユーメラニン)と黄赤色系(フェオメラニン)があり、この比率とメラニン量で毛の色が決まります。
黒毛はユーメラニンがほとんどでメラニン量も多く、金髪などはフェォメラニンが多くメラニン量が少ないと言われています。
頭髪の形も人種により様々で、大きく分けると真っ直ぐの(直毛)・ウェーブのかかった(波状毛)・ちぢれ毛の(縮毛)の3タイプです。ただ直毛の方でも加齢により頭皮が重力により下がる事で、真っ直ぐに伸びていた毛包が曲がって伸びてくる毛にウェーブが現れたりすることがあります。
今回は「毛」について色々お話ししてきましたが、最後に…
毛の成分は主にケラチンタンパクで酸性には強いがアルカリに弱い特徴があります。
そのうえ日本人の髪は欧米人に比べてキューティクルが厚く密に重なり合い、太めで硬く丈夫な髪のように思いますが、キューティクルが剝がれやすく傷みやすい特徴があるので、摩擦や乾燥には特に注意し、髪を育ててくれる頭皮ケアも忘れずに、清潔で血行促進を心がけたケアを行って下さい。
血行が悪くなると頭皮が固くなりがちです。
健康な髪を育てるための栄養素としてタンパク質やビタミン・カルシウム・鉄・銅・亜鉛多く含む食品を意識して摂るのも良いでしょう。
『髪』で印象や年齢が大きく違って見えます。
お顔のスキンケアと同様に『髪』や頭皮のケアも毎日行いましょう。