Columnコラム

ビタミンCはスーパーヒーロー

ビタミンCはスーパーヒーロー

【美容&健康コラム】 2025.9.25 Vol,231
MI美容顧問:川戸清弥

 

9月第2弾も「ビタミンC」のお話をしたいと思います。前回の美容コラムでビタミンCによる肌への効果や化粧品に配合されるビタミンCの種類などについてお話ししましたが、今回はビタミンCの効果だけでなく効率の良い摂取方法や摂取するタイミングなど、ビタミンCを摂取するにあたりすぐに役立つ情報をお伝えしたいと思います。

皆さんはビタミンCの事をどれだけ知っていますか?そもそもビタミンは発見された順番にA.B.C・・・といった順に名付けられ、後に生理活性を表す脂溶性(A.D.E.K)と水溶性に(B群.C)と分けられました。そこで今回のテーマでもあるビタミンCの特徴について確認しておきましょう。

ビタミンCは「アスコルビン酸」とも呼ばれており人間の体内で作る事は出来ず、摂取しても体内に貯蔵しておけないのが大きな特徴です。日本人の成人1日推奨量「厚生労働省・日本人食事摂取基準(2025年版)」では男女ともに100mgで、女性は妊娠中なら+10mg・授乳中なら+45mgが必要になってきます。喫煙者においては+35mgが必要とも言われています。成人の平均摂取量はほぼ達してはいますが、体内に蓄えて置けないためその日の食事によっては不足気味になる事もあり、ビタミンCの不足が続くと疲労を感じやすくなったり、些細なことでイライラし怒りっぽくなったり、顔色が悪かったり、貧血や歯茎の出血などの症状が現れます。前文のような身体の異変を感じたらビタミンCの不足を疑ってみる事も必要かもしれません。

ビタミンCに美容効果がある事は、前コラムでもお話ししましたが、ビタミンCはメラニン色素の抑制だけでなく他にも様々な働きをしています。ここでビタミンCを経口摂取した時の主な効果について確認しておきましょう。

 

 

【ビタミンCの主な効果】

◆コラーゲンの生成

コラーゲンの生成にはビタミンCが不可欠で、具体的にはプロリンというアミノ酸がヒドロキシプロリンに変化する際に必要な酵素の補因子として働いており、強いコラーゲンの生成に重要な役割を果たしています。皮膚・骨・血管壁・靭帯・腱などの形成や修復には大切な栄養素なのです。

 

◆抗酸化作用による細胞の保護

ビタミンCはさまざまな疾病や老化原因の1つでもある活性酸素から細胞を守る強い抗酸化作用があります。酵素ではなかなか処理しきれない活性酸素の働きを抑える作用があり、年齢とともに減少する酵素の働きをサポートしてくれます。

 

◆鉄の吸収を促進

もともと食品から吸収されにくい鉄はビタミンCと一緒に摂取する事で吸収率がアップし貧血の予防や、鉄不足によるめまいや疲労を防ぐことが期待できます。

 

◆免疫力の強化

ビタミンCを摂取すると体内に侵入した細菌やウィルスなどから身体を守る白血球の一種である好中球やリンパ球の働きが活発になり免疫機能の強化につながります。

上記で述べた様にビタミンCはマルチに作用し健康な体を維持する上では、まさにスーパーヒーローというべき栄養素なのです。

ではどのタイミングでどの様にビタミンCを摂取するのが一番良いのでしょうか?毎日の食事で補えるのが理想ではありますが、ビタミンCは前回のコラムでもお伝えしたように、熱や光に弱く水に溶けやすい性質を持っているため、調理方法には気を遣う必要があります。

野菜だと赤ピーマンや芽キャベツ・ブロッコリーなどがビタミンCを多く含む野菜ですが、5分茹でると約40%のビタミンCが失われ、カットした野菜を水にさらして置くとビタミンCは水に溶け出してしまいますから、生で食せるサラダやマリネだと効率よく摂取する事が出来ます。
ジャガイモなどはビタミンCがさほど多いわけではありませんが芋類に多く含まれているでんぷんが熱からビタミンCの消失を防いでくれるため調理後も比較的ビタミンCが摂取しやすい食材です。
果物ならアセロラが一番ビタミンCを多く含む果物ではありますが、あまりなじみがないため果汁入りの飲料水を利用すると良いでしょう。オールシーズン購入しやすいキウイフルーツ(黄色肉種生)や柑橘類、この季節店頭に並ぶ柿などもビタミンCを多く含んでいる果物なので毎日の食事に取り入れるよう意識して下さい。

次は食べるタイミングですが、体内に蓄えて置けないビタミンCですから、一度に多く摂取しても尿として排泄されてしまいます。6時間程度の間隔で朝昼晩の食事で摂取するのが良いそうです。ビタミンCは毎日安定的に摂取できるのが望ましいため1日3回の食事でビタミンCが足りていないと感じた時には、上手にサプリメントを活用する事をお勧めします。市販のサプリメントには合成と天然の物があり、ほとんどの市販製品はトウモロコシ由来の化学合成品が多く天然の物と機能は同等とされています。あまりにも安価な製品には製造過程や純度に違いがあり不純物が多い事がありますので注意しましょう。
9月の美容コラムは2回にわたってビタミンCについてお話してきましたが、日々私たちの身体は紫外線や大気汚染・ストレス等により活性酸素を生成し続けています。ビタミンCは私たちの細胞がサビない様に守ってくれるスーパーヒーローである事を忘れずに、これからも効率よくビタミンCを摂取し続けましょう。

執筆者プロフィール

川戸 清弥
川戸 清弥顧問
ドイツ留学にて、皮膚理論や毛髪理論、エステティックの技術などを学び美容外科・皮膚科で美容カウンセラーを経験。現在は多くの企業やエステサロンと契約して化粧品プロデューサー、ビューティーアドバイザーとして海外でも活躍中。

コラムタグ