【美容&健康コラム】 2022.5.10Vol,66
MI美容顧問:川戸清弥
この化粧品は(上記写真)は、私にとってとても思い出深い商品です。今回のコラムでは、この化粧品がどのようにして誕生したのかを皆様にお話ししたいと思います。
以前から美白を目的とする化粧品は販売されている物がありましたが、その商品をご愛用されている方からの電話がリニューアルのきっかけでした。「シミが気になって使っていたら最近肌が痒くなる。」と言った相談でした。他にも肌が赤くなると言った相談も寄せられるようになりましたがその数は数人でした。美白を目的とした商品開発では、肌の細胞活性や代謝促進を目的とした成分配合が必要です。そのことから肌が興奮するリスクを伴う事があります。近年敏感肌やアレルギーの方が非常に多くなり、化粧品業界にとっては大きなハードルになっています。シミを薄くするものを開発したい、でも高濃度な配合や活性作用が強すぎると肌に刺激が出てしまう、そんな葛藤の中で商品は開発されていきます。開発者側は何を使えばシミが消え白くなるかは当然知っています。しかしその有効成分は化粧品には使える濃度が決まっていたり、日本ではまだ認可が下りていなかったり。法律や薬事のはざまで日々低刺激でホワイトニング効果が見込める物を必死で探し開発を繰り返しています。
再開発では、有効成分の見直しと模索から始まり、最終的には代理店様方にパッチテストのご協力をお願いすることになりました。代理店様方は「面倒な事はしたくない」・「実験台になるのは嫌だ」などとは一言も言わず快く協力してくださいました。断られるのではないかと心配だった私は、代理店様方のあの時の対応に今でも心から感謝しております。そのおかげもあり刺激原因が解明でき、配合する有効成分が決まり、そこから実験と試作が繰り返され、いよいよ試作品テストをスタートしました。モニターを徐々に増やしモニターの声を拾いながら改良しては試作品テストを何度も何度もおこない、商品の完成までには通常の約4倍の年月がかかってしまいました。「良い物を提供する!」当たり前の事ですが、その当たり前の事がとても難しく、多くの方々の協力なしには成しえない事をこれほど痛感したことはありませんでした。そしてそこには、良い物を提供し沢山の女性に喜んでもらいたい。と言った化粧品会社の熱い思い無には、この「プラチナムⅢ」は生まれていなかったと思います。私は化粧品プロデュースといった立場から多くの化粧品会社のオーナーにお会いします。「時は金なり」慈善事業ではないのですから、開発時間は出来れば短い方が良いに決まっています。「試作品テスト」と言った使う側の意見に耳を傾ける作業に時間や費用を使う事は出来るだけ短期に済ませたいと考える会社が多いのも確かです。
たかが化粧品!されど化粧品が持つ力を私はよく知っています。「この化粧品は敏感肌の私も使えました。」「ファンデーションを厚塗りして隠してきたシミが気にならないくらい薄くなりました。」と笑顔で話し掛けて下さる女性がいらっしゃいます。「先生ありがとうね。いい化粧品を作ってくれて…」と言って下さる方がいます。この化粧品はたった1本のご愛用者からの電話で再開発が決まり、大勢のご協力者の努力と、化粧品会社オーナーのご愛用者様への誠意から誕生した事を伝えておきます。そしてこんなに真面目に化粧品造りに取り組む会社がある事を皆様へお伝えすると同時に、「プラチナムⅢ」が皆様の笑顔の役に立てます事を願っております。