【美容&健康コラム】 2022.11.10 Vol,90
MI美容顧問:川戸清弥
紅葉の季節到来といえば、1日の寒暖差が10℃以上になり空気の乾燥が気になる、肌にはとても厳しい季節ですね。冬を越すごとに肌年齢が加速しない様、この時期から保湿ケア対策をしっかり行う様にしましょう。乾燥は肌のバリア機能を低下させ敏感肌に移行しやすく、シワやタルミの大きな外的要因でもあります。
今回皆様にお話しするのは、シワの現れる原因ヵ所でもある「真皮」について紹介したいと思います。真皮に存在する付属器官を知る事で、体の中で一番身近な器官の皮膚がどのような働きをしているのか、早速真皮の断面図で解説したいと思います。
上記図のように、多くの付属器官が真皮には存在して居ます。「汗」や「皮脂」を分泌・生産する器官も真皮に存在し体温調節をおこなっていますし、皮膚に栄養を運んでくれる毛細血管も真皮層の上部まで届いています。全身に存在する毛や産毛の毛包も真皮層まで根を下ろし、その毛包を支える様に立毛筋が存在し毛穴の開閉を行っています。そして人間にとって、とても大切な五感の一つである「触感」は知覚神経を真皮にまで伸ばし先端部の受容体が、熱い・冷たい・硬い・柔らかい等々を感じ取ります。「触感」の発達は「聴覚」や「視覚」等よりも随分早いうちから発達し、胎児の時からだと言われています。真皮は表皮を支えるスプリングの役割だけでなく、真皮の付属器官が正常に働けるよう環境を保持しつつ、外部からの衝撃で内臓が傷付かない様に守ってもくれている大切な器官なのです。
その為に真皮の大部分は膠原繊維(コラーゲン)で、それに弾力繊維(エラスチン)がゴムの様な役割で形を保っています。例えるならビルを建てる時の鉄筋がコラーゲンで、鉄筋と鉄筋を結ぶワイヤーがエラスチンです。そこにコンクリートを流すワケですが、このコンクリートがヒアルロン酸なのです。このヒアルロン酸は基質と呼ばれ、たっぷりと水分を含んだ形で真皮内の環境保持に大きな役割を果たしています。
この乾燥の時期、真皮に存在する『皮脂腺がもう少し活発に働き、皮脂をたくさん分泌してくれればこんなに肌も乾燥しないのに!』と思いますが、この時期の様に大きな寒暖差と急激な湿度の低下に肌はついて行けないのです。特に年齢を重ねると徐々に真皮の付属器官も活動が鈍くなりがちです。もしも洗顔後にツッパリ感やパサパサ肌を感じたら、直ぐにお手入れを見直しましょう。衣替えをする様にスキンケア用品やメイク用品も保湿力の高い化粧品にチェンジする事をお勧めします。
この時期だからこそ、プラスオンしてほしいのが真皮の為のスキンケアです。水分が奪われる事で真皮層の弾力繊維も維持が難しくなり、敏感肌に移行しようものなら炎症による膠原・弾力繊維の劣化も生じます。健康な肌でもコラーゲンやエラスチンは25歳頃より減り始め、40代を過ぎるとピーク時の半分に減るとも言われています。特に皮脂の分泌量が低下する40代以降は、真皮への有効成分がたっぷり配合されたリンクルケア商品を取り入れる事をお勧めします。40代でリンクルケア商品は必要ないと思われている方もいらっしゃいますが、私は女性ホルモンの減少が始まる30代後半から、ご愛用される様にアドバイスしています。一冬越すごとに、シワが増えた・深くなったと悩む前に、早め早めの対策をスタートし、いつまでも若々しいお肌を維持しましょう。真皮への栄養補給が出来るお手入れを取り入れる事で肌は見る見るうちに蘇って来るはずです。