【美容&健康コラム】 2021.8.10 Vol,30
MI美容顧問:川戸清弥
突然ですが、今回のコラムは皆さんへの質問からスタートしたいと思います。
現在の体調が下記の項目に当てはまるか?
質問5つにお答えください!
【質 問】
1.髪の毛が細くなり抜け毛が気になり始めた
2.高額な化粧品を使っても効果が分からない事がよくある
3.爪が割れたり裂けたりもろくなってきた
4.傷が治るのに時間がかかる様になった
5.普段から発汗量が多い方だと思う
どうでしたか?
当てはまる項目はありましたか?
もしも上記項目に当てはまるなら、是非最後までお付き合いください。
実は、上記症状を感じておいでの皆さんは「亜鉛」が不足または体外へ流出してしまう量が多いのかもしれません。
「亜鉛」は16種類の必須ミネラルの1つで、体内では合成できない栄養素です。
体内で作れないのですから食事で摂取するしかないのですが…なかなか意識して「亜鉛」を摂らなくては!と毎日の食事を意識している方は少ないと思います。
それに付け加え「亜鉛」は吸収力が悪く腸管での吸収率はなんと30%前後と言われています。
ですから日本人は亜鉛不足の方が多く厚生労働省も栄養摂取基準(2020年版)で1日成人男性は11mg・成人女性で8mg(妊婦・授乳婦さんは+2~3mg)は必要ですと、国も推奨していますが…なかなか必要性に気付いてもらえないのが実情です。
「亜鉛」は体内に2gしか存在せず、多くは骨格筋や骨・皮膚・肝臓・腎臓などに存在しています。「亜鉛」の体内での働きは、分かっているだけでも200以上あり健康維持には欠かせない栄養素なのです。
特にタンパク質の合成には必ず必要で上記の質問にあったように、髪・肌・爪(ケラチンタンパクから出来ている)が弱くなり始めているという事は亜鉛不足によりタンパク質を作るスピードが遅くなっているのかもしれません。
髪・肌・爪に関わらずほとんどの臓器は代謝を行っています。
新しいタンパク質が合成出来ない事は重大な問題なのです。
そして美容の面においても代謝スピードが速い肌や髪にとって、「亜鉛」は大切な栄養素であり、キーマンなのです。
それに近年では、うつ症状やイライラなど感情のコントロールが出来ないで悩んでおられる方が増えているようですが、体内の「亜鉛」量をコントロールすることで緩和されることも分かってきました。
では、新陳代謝を高め、健康で美しい肌や髪・爪を手に入れる為に、「亜鉛」をどのように摂取すれば良いのかお話しして行きましょう。
先にお話ししたように「亜鉛」は、吸収されにくい栄養素です。
特に「亜鉛」は水溶性のため調理方法によって壊れてしまうため出来るだけ長時間の過熱調理は避け、汁物にして全部食すなど工夫しましょう。では「亜鉛」を多く含む食材をご紹介しておきます。
【100g中の亜鉛含有量】
1位、牡蠣(天然・養殖で多少の違い有り)・・・13mg
2位、ゴ マ ・・・7.1mg
3位、豚レバー ・・・6.9mg
牡蠣が一番多く「亜鉛」が摂取できますが、年中食卓に並べるのは難しい食材ですよね。
「亜鉛」を吸収力アップするには、ビタミンCを一緒に摂取すると良いそうです。
生牡蠣をお店で注文するとお皿によくレモンが添えてありますよね。
牡蠣が苦手な方には、牛もも肉や高野豆腐・パルメザンチーズなどにも含まれています。
微量で効果絶大の「亜鉛」ですが、なかなか摂取が難しいとお思いの方には、サプリメントをお勧めします。
単体の物よりもビタミンCと一緒に毎日摂取できるタイプの物を選びましょう。
海外のサプリメントなどは、1錠の含有量が多い物がありますので注意して下さい。
(*亜鉛の1日摂取量には上限量があります、継続的な過剰摂取はご注意下さい。)
「亜鉛」と聞くと男性に必要な栄養素とイメージされる方も多いでしょうが、実は女性にも大切な栄養素であり、いつまでも若々しい肌や髪・爪を維持する為には絶対に欠かせない栄養素であることを忘れないでください。
1日8mgの摂取で効果を発揮してくれる「亜鉛」はまさに食べる美容液なのです。