【美容&健康コラム】 2025.1.10 Vol,194
MI美容顧問:川戸清弥
新年あけましておめでとうございます。本年も若々しい美肌作りや健康維持に必要な知識など、皆様に役立つ情報や最新情報など配信していこうと思います。どうぞ今年も『美容コラム』をお楽しみに。
2025年最初の美容コラムは、「肌に残った汚れ」についてお話ししたいと思います。皆さんは毎日の洗顔にどれくらいの時間をかけ、どれくらい丁寧に行っていますか?
肌の表面はフラットに見えますが、数多くの毛穴や汗腺・皮溝といってキメの溝が網目状に存在しており決してフラットではありません。そんな凹凸のある肌にはチリやホコリ・メイクアップ用品・化粧品など外からの汚れと、皮脂や汗・垢など身体の内側から出てくる物が肌表面には常に付着しています。
その汚れを洗い流す為、皆さんは毎日洗顔されている事でしょう。しかし洗顔方法が適当で、すすぎも中途半端だと皮溝や毛穴の中には見えない汚れがそのまま残り、この様な洗顔が毎日繰り返される事で、毛穴に残った汚れは徐々に酸化して黒ずみます。肌は硬くなりザラザラ肌となり毛穴自体も大きく開口し目立ってきます。そして吹き出物やニキビの原因となるのです。
他にも肌にクスミが現われ、古い垢が残る事で肌の新陳代謝にも影響を及ぼします。洗顔時のすすぎが足りないと残った洗顔料が肌荒れや湿疹の原因になる事もあります。そして皆さんが朝晩お使いの美容液やクリームなどの浸透も悪くなってしまいますし、メイクのりが悪くなったりメイク崩れの原因にもなりかねません。自分では毎回しっかり洗顔・すすぎを行っているようでも見えない汚れが残っていると、肌トラブルを引き起こし日々のスキンケアも意味のない物になってしまうのです。
そこで洗顔方法の注意ポイントをまとめましたので、ご自分が行っている洗顔方法と比較しながら確認してみましょう。ついつい我流になっている方は見直す機会にして下さい。
【洗顔方法の注意ポイント】
*クレンジング後の洗顔方法
ポイント1.洗顔料はしっかり泡立ててから顔に乗せ下から上に円を描く様に進み強く擦らず、長時間行わない事!(洗顔料にもよりますが、泡洗いは1分以内に済ませましょう)
ポイント2.すすぎの際、お湯の温度は必ず体温以上の温度は使用しない事!(33度~35度のぬるま湯で行いましょう)
ポイント3.洗顔料すすぎ残しの無いように流水で何度も丁寧に洗い流す事!
ポイント4.すすぎが終わったらタオルで肌を擦らずに優しく押さえる様に拭く事!
いかがでしょうか?上記4つの注意ポイントで間違っている個所は無かったでしょうか?ついつい我流になってしまっているあなた!気を付けて下さいね。
ところで皆さんは洗顔後のすすぎにどれくらいの時間または回数行っていますか?よく30回位ぬるま湯をかけてすすぎましょう。なんて記載してあるのを目にしますが、すすぎが終わり鏡を見ると額の生え際に泡が残っていたりする事はありませんか?洗顔料のすすぎ残しには十分気を付けましょう。
そもそも肌の汚れとは、肌の上で外からの汚れと皮脂が混ざり合い常在菌と空気によって酸化が進み、変性皮脂(過酸化脂質)に変化し肌に刺激を与えます。特に毛穴に関しては、若い頃のように皮脂の分泌量が盛んなら、毛穴の中の皮脂が残留する間もなく新しい皮脂が作られ次々に外へと肌表面に排泄されます。しかし肌の加齢により皮脂生産量の減少や、この時期のように気温が低い事により分泌量が減少すると、肌の力だけでは押し出すことが出来ないまま毛穴に残り、皮脂本来の保湿作用さえもが果たせなくなり表面は弱酸性を保てなくなってきます。変性皮脂は細胞膜を傷つけ機能を低下させる為、肌老化を加速させてしまうのです。表皮が生まれ変わるのに4週間以上の時間がかかる事を考えると、毎日の洗顔は健やかな肌を保つに大切なスキンケアなのです。
体臭が強くなる原因も肌に汚れが残留する事が大きな原因です。特に30代半ばから発生する加齢臭は皮脂の中のパルミトレイン酸が酸化し、ノネナールといった古い油のような臭いが原因物質です。皮脂腺が集中するうなじや耳周りの洗浄が重要なのです。そして毛穴が大きく密集する頭皮には、頬の約3~4倍の皮脂腺が存在しています。毛穴に汚れが残った状態が続くと頭皮からも悪臭がするようになり、髪が痩せ薄毛や脱毛の原因にもなりかねません。皮脂腺は毛穴に接続していますから、シャンプーの際は髪の毛を洗うよりも頭皮をしっかり洗浄する様に意識し、洗浄剤が残らない様にしっかりすすぐ事がとても大切です。すすぎが足りない事でシャンプーやトリートメント剤に配合されている香料が、変性皮脂と混ざり合い悪臭になる事もあります。顔に限らず頭皮や身体の「汚れ」をしっかり洗い流すことは、健やかな肌を保つための一番大切な基本スキンケアなのです。