【美容&健康コラム】 2024.9.25 Vol,180
MI美容顧問:川戸清弥
9月1回目(vol.178)の美容コラムは御覧頂けましたでしょうか?今回のコラムも前回に引き続き「エクオール」についてお話ししたいと思います。
前回の美容コラムで「エクオール」は女性ホルモンに似た働きをする物質とご紹介しましたが、では女性ホルモンとは何なのでしょうか?女性ホルモンにはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類があり個々に大切な役割を持っています。女性ホルモンは主に卵巣で作られ血管によって身体の中を巡り様々な臓器に運ばれ、ホメオスタシス(生体恒常性)を保つ役割とともに女性の生理周期や妊娠・出産そして、女性らしい体形や肌の美しさにも大きく関与しています。そんな大切な女性ホルモンも年齢を追うごとに減少し始めます。女性ホルモンの量の変化は初潮を迎える12歳前から(日本産婦人科医会の調査によると平均初潮年齢は12歳)増加し始め、18~20歳頃には分泌量は落ち着き、個人差はありますが45~55歳位には激減し閉経を迎え、その後も女性ホルモンは徐々に減少し続けます。
個人差はあるものの、確実に女性ホルモンは減少していきます。日本人の閉経平均年齢は50.5歳ですが、この年齢は昔も今もさほど変わりませんが、昔と今の大きな違いは閉経から寿命までの年数です。1950年頃の平均寿命は女性で約54歳ですから閉経後数年で寿命を迎えていた事になります。しかしここ70年の間に女性の平均寿命は約87歳にまで伸びました。昔に比べ女性は閉経後約37年間、女性ホルモンの恩恵が限られる中健康維持を心掛けなくてはなりません。
そこで注目されているのが「フェムテック」です。フェムテックとは、「female=女性」と「technology=テクノロジー」を組み合わせた造語で、女性特有の健康課題をテクノロジーで解決する為の商品やサービスの事を言います。女性ホルモンの乱れに限らず不妊や婦人科系疾患に至るまで、様々な女性の悩みをオープンに話せるコミュニティや役立つ商品の開発が、国内に限らず世界で進んできています。フェムテックサービスで有名なのが月経周期を管理したり、予測したりできるアプリです。製品としては吸水ショーツなど、テレビコマーシャルでもご覧になった事が有る方も多いでしょう。この様に女性が健康で生き生きと活躍でき、いつまでも楽しく過ごせるためにフェムテック製品は色々な分野で開発されているのです。
そこで、エクオールサプリメントもフェムテック製品の1つだと私は思っています。エクオールサプリメントを有効的に活用する為には、摂取量がポイントです。1日10mgが必要だと言われていますが10mgのエクオールを腸内で産生するには、大豆イソフラボン50gを摂取する必要があります。食品に例えると豆腐2/3丁・豆乳コップ1杯を取る必要があります。豆乳コップ1杯なら続けられる!と思った方もいらっしゃるでしょうが、残念なことに大豆イソフラボンをいくら摂取しても腸内で生産出来ない方が半分以上いらっしゃいます。しかもエクオールは、いくら摂取しても体内に蓄積できないらしく翌日には排泄されてしまう為、毎日摂取し続ける事がとても大切です。更年期障害に悩まれる方でHRT(ホルモン補充療法)を行っている方もありますが、副作用を心配される患者さんへの代替案としてエクオールの摂取を進める医療機関も増えてきているようです。大豆アレルギーの方は使えませんが、作用が穏やかなエクオールサプリメントを上手に活用し、ゆらぎやすい女性の体調コントロールに役立てましょう。
そしてエクオールの効果はまだまだあります。美肌効果に対しても女性ホルモン(エストロゲン)と同様の働きを持つ事から、老化肌の大きな原因でもある活性酸素の生成を抑え、40・50・60代と徐々に気になり始める、肌のタルミやシワに対しコラーゲンの生成を促進させ潤いを補いシワを改善します。そして抗酸化作用を持つエクオールはシミ予防やシミの改善にも期待できます。最後に男性ホルモンの影響で皮脂分泌過剰となり大人ニキビに悩まれる方にも効果があるのです。現在も多くの研究機関でエクオールが持つパワーについて研究がされており、今後も期待が膨らみます。