【美容&健康コラム】 2021.6.10 Vol,22
MI美容顧問:川戸清弥
梅雨時期のスキンケアをご存じですか?
女性なら毎日幾つかの化粧品をお使いだと思います。
最近は男性もマメにスキンケアをされる方が多くなっているようです。
人によって愛用されている化粧品は様々でしょうが、季節によって化粧品は替えていますか?
「年中同じ化粧品じゃダメなの?」と思われる方も多い事でしょう。
洋服を季節によって衣替えするように、是非スキンケア用品も気温や湿度・紫外線量等に合わせて見直していただきたいと思います。
そこで今回のコラムでは、梅雨の時期に是非使って頂きたい化粧品の紹介と、スキンケアのポイントをお話ししたいと思います。
「梅雨」と言いますと、湿度が高く夏に向けて紫外線の量もぐんぐん多くなる時期です。
こんな時期だからこそ、皆さんにお勧めしたいスキンケアは、美肌菌を育てるスキンケアです。
菌は、湿度が高く温かい環境が大好きです。
だからこそ梅雨の間に肌に棲んでいる常在菌を育て、バランスを整えておく為のスキンケアを行うのが最適なのです。
「えっー肌で菌を育てるの?」と驚かれる方もいらっしゃると思いますので、肌に棲んでいる菌のお話をしておきましょう。
皆さんの肌の上にはこの(上記図)3人が陣取り合戦を常に行っています。
胎児の時の肌は勿論無菌ですが、生後直ぐに常在菌が棲みつきます。
この菌たちは自然分娩時や赤ちゃんに触れる親の手等を介してやってきます。
そして肌表面や毛穴に棲みつき肌を守る為に働き始めます。
体の部位により違いはありますが、1㎠の肌の上には約100万個以上の菌が生息していると言われています。
この常在菌達は皆さんの肌から排泄される汗や皮脂を餌として、肌を守る為のグリセリンや脂肪酸を作り弱酸性に肌を保ち、潤い成分として皮脂膜を完成させるのです。
常在菌が働いてくれる事で乾燥や紫外線・雑菌から肌を守る事が出来ているのです。この常在菌は善玉菌の(表皮ブドウ球菌)⇒50%、日和見菌の(アクネ菌)⇒25%、悪玉菌の(黄色ブドウ球菌)⇒25%のバランスで存在し健康な肌状態を保っています。
このバランスが肌にとっては一番コンディションの良い状態なのですが、色々な原因でこのバランスが崩れ悪玉菌が増えてしまうと、乾燥肌や荒れ肌・ニキビなど色々な肌トラブルが現れてきます。
そして体臭の原因やフケ・痒みなどを引き起こすことにもなります。
このバランスを維持するためには、菌が棲みやすい環境を作る必要があります。
では常在菌にとって棲みやすい環境とはどんな肌状態なのでしょうか?
梅雨は菌が最も繁殖しやすい時期です。
肌の常在菌だけではなく半乾きのタオルが臭くなったりするのも雑菌の繁殖によるものです。
この梅雨のタイミングにこそ、これからご紹介するスキンケアを行うことで常在菌にとって棲みやすい環境作りが出来、バランスが整い善玉菌が活躍してくれるのです。
もしも現在自分の肌にトラブルや悩みを抱えていらっしゃる方、今は悩んでいないが冬になると乾燥が気になる方、また体臭が気になる方、そして栄養価の高い美容液やクリームを使ってもなかなか肌に効果を感じられない方は、肌に棲んでいる常在菌バランスが崩れているのかもしれません。
常在菌を育てやすい梅雨の時期を利用して今年こそ育菌ケアにトライしましょう。
方法と手順は下記をご参考に行って下さい。
では、ここからは育菌ケア中の注意事項と上記商品の応用使いをご説明しましょう。失敗すると来年の梅雨までチャンスはありませんかね。
下記の5ヶ条を必ず守り育菌ケアを成功させて下さい。
基本的な考えは、常在菌が好きな事を行い、嫌いな事は行わないようにするのが基本です。
◎必ず守ってほしい事・育菌ケア中5ヶ条
1.必ず!使うタオルは衛生的なものを使用する事(メイクスポンジ・ブラシ・枕カバー・マスク等も衛生的に)
2.必ず!洗髪後の自然乾燥はやめる事(ドライヤーを使ってしっかり乾かしましょう)
3.必ず!垢を取り過ぎるスキンケアは避ける事(お顔剃りより毛抜きで対応)
4.必ず!朝の洗顔は、洗顔料を使わない事(水又ぬるま湯のみで洗う)
5.必ず!育菌ケアは途中でやめない事(最低肌周期の28日以上行う)
以上5ヶ条を必ず守って育菌ケアを行いましょう。
ところで2の「洗髪後の自然乾燥はやめる」ってお顔のケアなのに何で?と思われる方も多いでしょう。
解説しておきますが、頭皮と顔は近く一枚の皮で繋がっています。
しかも髪の毛の根本には黄色ブドウ球菌(悪玉菌)が多く存在しています。頭皮環境が悪い事で、せっかくお顔の常在菌バランスを整えようと育菌ケアを行っても頭皮に悪玉菌が多くなると直ぐに影響を受けてしまうのです。
洗髪後生乾き状態の髪の毛でそのまま就寝するのは、絶対にやめましょう。常に髪の毛を触っている女性の手には、黄色ブドウ球菌がいっぱい居ると言う事をお忘れなく。
次に皆さんにお話ししておきたいのは、応用編として育菌ケア中の商品(プロテクションゲル)で体臭を抑えるケアです。
是非この機会にご家族で体臭チェックを行い実践してみて下さい。
体臭が気になるのは、アポクリン汗腺が多く存在する腋下や足・うなじや耳周りでしょう。
そういった部位には、入浴時優しく肌を洗浄し清潔にした後は、しっかり水分を拭き取りプロテクションゲルをご使用下さい。
体臭が気になるからと言って患部を強く擦るのは止めましょう。
肌表面に細かな傷が出来ることで環境は悪くなります。そして足などは、毎日洗う事と拭き取った後は、角質を柔らかくするクリームと交互にプロテクションゲルをお使いになる事をお勧めします。
足の裏に塗ったゲルやクリームが気になる方は就寝するまでの間、緩めのソックスを履くと床を汚さないでいいですよ。
体臭の原因も悪玉菌の増殖が大きな原因の一つです。
常在菌のほとんどは嫌気性菌なので、毛穴の中に多く存在して居る為ケアは根気よく続けて下さい。
もう一つの応用編は、コロナ禍でアルコール消毒や手洗いの回数が増えた事により、手荒れに悩む方が多いと聞きます。
アルコール消毒液は善玉菌も殺してしまいますし、手洗いを頻繁に行うことで常在菌がせっかく作ってくれた皮脂膜も洗い流されてしまいます。
このことから常在菌バランスは乱れ乾燥しひび割れや手荒れが目立ち始めます。そんな時は就寝前に、プロテクションゲルを塗って綿の手袋をすると良いでしょう。
ただ暑くなると手袋は睡眠の邪魔になりますよね。特に肌荒れの目立つ部位のみプロテクションゲルの上からワセリンを塗っておくと手袋の代わりをしてくれます。手荒れに関しては手洗いごとにプロテクションゲルを塗る様にしましょう。
外出時も持参するようにしてマメに何回もお使いになる事をお勧めします。
(手荒れの症状によっては、皮膚科に行くことをお勧めします。)
育菌ケアが終わる頃、美肌菌バランスが整い貴女の肌は艶やかで滑らかな、クスミの無い透明感肌を取り戻し、メイクのりも良くなっているはずです。
きっと周囲から「肌の調子良さそうね。」とか「どんな化粧品使っているの?」と尋ねられるはずです。
育菌ケア中は必ず先に説明した「5ヶ条」を守りながら、梅雨のスキンケア(育菌ケア)を実践してみて下さい。