【美容&健康コラム】 2024.5.10 Vol,162
MI美容顧問:川戸清弥
先月から街中でも半袖の人を見かける様になりました。25℃を超す日も多かったように思います。そして八十八夜も過ぎ暦ではいよいよ初夏。この季節、気温の上昇に身体が対応しきれず、体温調節が上手くできない人が年々多くなっている様です。そんな時にジワ~と出て来た「汗」ちょっと臭いが気になりませんか?自分では気づいていなくても、周りには気づかれているかもしれませんよ。今回のコラムではそんな「体臭」について取り上げてみたいと思います。
身体から発せられる臭いには、色々な物があります。よく知られているのは、「汗臭」に「ワキガ臭」それに「加齢臭」「口臭」「足の臭い」ではないでしょうか?それ以外にも「疲労臭」・「ダイエット臭」・「ストレス臭」なんて言うのもあるのですよ。そんな「体臭」は身体のコンディションや年齢・精神状態・食べ物や衛生状態等によっても違い、様々な臭い物質を皮膚や口を使って排泄しようとします。そんな「体臭」の中から今回は200万~500万個存在する、エクリン汗腺を使って排泄される汗の臭いに絞ってお話しする事にしましょう。
私たちの体温は成人だと約36度前後に保たれており、この温度は器官が効率よく動くための適温と言われています。その為気温等の影響を受け体温が上昇すると、汗腺は汗を放出し皮膚表面で蒸発する事で熱を奪い体温調節を行います。常温安静時でも1日約600リットル発汗している汗腺は、真夏になると約1.5リットル発汗し炎天下に2時間運動すれば2リットルの量の汗を出します。この体温調節に大きな役割を果たしている汗腺が正常に働かないと「ムクミ」・「冷え性」・「熱中症」や「疲れが取れない」等の症状が現れやすくなりますので注意しましょう。
今回のテーマである「汗臭」は汗腺を鍛える事で軽減できます。そもそも「汗」はほぼ無臭です。汗の成分のほとんどは「水」で、それ以外にも、ミネラル・たんぱく質や脂質が微量含まれています。これが肌表面に存在する常在菌に分解され脂肪酸を生み出しそれが表面に滞留する事で臭いの元になります。汗腺を鍛えサラサラ汗で今年の夏を乗り越えましょう。
では、ここで「サラサラ汗」のポイントをまとめましたので参考にして下さい。
ポイント1.発汗の習慣をつけよう!
★入浴はシャワーで済まさずバスタブにつかる時間を取り(20分前後)発汗タイムを意識しましょう。
★筋トレを行い体温が上る様にしましょう。筋肉の少ない方は低体温症の方が多く発汗しにくい方があります。
ポイント2.皮膚の常在菌ケア!
★毎日肌を清潔に保つ事が大切です。
★乾燥肌や痒みや炎症個所があれば早めにケアし常在菌バランスを整えましょう。
ポイント3.アポクリン汗腺周辺はマメに汗を拭きとる!
★腋下・うなじ等のアポクリン汗腺が多く分布している個所には、肌表面の温度を下げ抗菌作用のあるジェルやゲル等を外出前に使うと良いでしょう。
★汗を拭きとる時には、使い捨てのウエットシートなど使い肌を清潔に保ちましょう。
上記3つのポイントを参考に「汗腺を鍛え」「常在菌バランスを整え」ましょう。
皆さんは周りにいる人の臭いが気になった事はありませんか?狭い空間の車内やエレベーターなど人の臭いを強く感じた事はありませんか?私はタクシーを利用した時、前に利用した客なのか運転手さんの体臭なのかハンカチで鼻を覆いたくなる経験があります。それも出かける朝のタクシーだったりすると気分も下がってしまいます。ところが自分の「体臭」とはなかなか分からないものです。自分は臭っていないと思っても周囲の人には「あの人臭うわね」なんて思われているのかもしれません。発汗量が増える夏こそ汗腺を鍛えサラサラ汗でいられるよう心掛けたいですね。