【美容&健康コラム】 2022.10.25 Vol,88
MI美容顧問:川戸清弥
前回のコラムで、秋に抜け毛が多くなるお話しをしましたが、今回はそんな抜け毛が増えるこの時期だからこそ、次に発毛して来る「髪」の為に必要な栄養素についてお話したいと思います。
抜け毛が増えるのが10月とすると、9月頃から毛根は退後期に入り髪が抜け落ちた後、3~4ヶ月間の休止期に入ります。その後毛根内の毛乳頭では細胞分裂が始まり、新しい「髪」を育て上に上にと伸ばし続け、頭皮からやっと顔を出すのです。健康な「髪」を育てるには、細胞分裂が繰り返される毛乳頭にある母細胞に栄養が必要となります。勿論、毛細血管から栄養は届けられているわけですが、毛細血管中の栄養素は私たちが口から摂取した物ですから、毎日の栄養バランスがとても大切な訳です。今回は昔から「髪」に良いと言われている海藻類に焦点を絞ってお話をしたいと思います。
「髪」に良いと言われてきた海藻ですが、ある文献によると日本人は縄文時代から海藻を食べていた記録がり、世界的にみても海藻類の摂取量が多い人種のようです。だからと言って日本人に薄毛やハゲの人が少ないわけでもありません。本当に海藻類は、「髪」に良いのでしょうか?ただ単になじみの深い「ワカメ」の成長スピードが速い事で「髪」に良いと言われているだけなのかもしれません。ちなみに「ワカメ」は1ヶ月で30~50cm成長するそうです。海藻と言っても約2,000種類もあるそうで古くから薬理効果があるとされてきました。こぶや腫物・水腫や婦人病などに良いとされる薬物書が存在するようですが、発毛に効果があるとは記録されていません。栄養素で言うと「ミネラル類」「食物繊維」「ビタミン類」です。どれも髪には良い栄養素のようですが、食べる事での発毛効果は医学的根拠を求めるとすると、どうも難しいように思います。
しかし、海藻を口からではなく毛根に触接与える事ができたなら、発毛効果があるのではないか?実はそのような研究は既に進んでいます。海藻の中でも褐藻類(モズク・昆布・ワカメ・メカブ)に多いとされるネバネバ成分(フコイダン=水溶性食物繊維)に発毛効果がある事が解ってきました。このネバネバ成分が毛母細胞を増殖しヘアサイクルの成長期を長くしてくれる効果があると言われているのです。私が以前目にしたフコイダン溶液での発毛調査では、薄毛を気にされている男女20~70代の107名に行った調査で、「髪にコシやハリがでた。」「髪が太くなった。」「薄毛が気にならなくなった。」「抜け毛が減った。」「頭皮の赤みが落ち着いた。」等々、3~4ヶ月間(1日2回塗布)の使用で効果を実感された方は約82%もいらっしゃいました。
このネバネバ成分ですが、口から摂取することで「抗がん作用」「コレステロール低下作用」「血圧低下作用」等、盛んに研究がおこなわれており生理機能も解明されて来ています。モズクやワカメ等は健康食材として毎日の食事に取り入れたいものですね。そして健康な「髪」を育てる為に、育毛剤をお選びになる時には、褐藻エキス配合の商品をお勧めしたいと思います。この秋はお風呂上りに1分だけでも育毛剤の使用時には頭皮マッサージを行い、育毛成分の浸透を促すのがポイントです。健康な「髪」が育つのにネバネバ成分(フコイダン)が活躍している事を忘れないで下さいね。