
Columnコラム
“浸透力”は肌の通り道で決まる

梅雨のこの季節は空気中の水分が多く、肌がうるおっているように感じますが…でもその感覚、本当に肌の水分量が増えているからでしょうか?
もしかすると、湿度による“表面だけのしっとり感”に惑わされているのかもしれませんよ。
確かに湿度が高いと肌が持つ水分は蒸発しなくなりますが、決して内側の水分が増えているわけではありません。例えば湿度80%の屋外から 室内40%へ移動すると、肌表面は一気に水分を失うことになります。この時期は特にエアコン・紫外線で急激に乾燥が進みます。
梅雨時期においても肌の内側が乾燥しているインナードライ状態の肌は多い事を覚えておきましょう。
そこで今回の美容コラムは普段お使いの化粧水を肌の奥までしっかり送り込み保湿するポイントをお伝えしたいと思います。

スキンケアの大きな目的には保湿があります。皆様も保湿力の高い化粧水を探しては、あれでもないこれでもないと買い替えられている方も多いことでしょう。実はこれ、単なる“化粧水”のせいではなく、肌の構造そのものが変化しているサインです。
40代以降、多くの女性が「昔より化粧水が入っていかない」と感じ始めます。
その原因の一つに、角質層の“水分保持力”の低下があります。年齢とともに、角質層の細胞間を満たすセラミドや天然保湿因子(NMF)が減少し、細胞同士のすき間が不均一になります。
すると、化粧水が均一に広がらず、表面で弾かれたように感じるのです。さらに、ターンオーバーの乱れによって、角質層が“厚く・硬く”なっている事が多いのです。
専門的には角層肥厚と呼ばれ、肌表面が固い膜のようになってしまう状態。これが続くと、どれだけ保湿力の高い化粧水を使っても、肌に付けた化粧水は肌の奥に届く前に蒸発してしまいます。
そしてもうひとつ見逃せないのが、皮脂の質の変化。
中年期は皮脂量が減る一方で、酸化しやすくなり、肌表面に“酸化皮脂の膜”が残りやすくなります。これが化粧水の浸透を妨げる“見えないフタ”となり、肌なじみの悪さを引き起こします。読者の皆様の中にも化粧水の肌なじみが悪く感じていらっしゃる方がいるのではないでしょうか?年だから仕方ないと諦めず下記スキンケア①・②・③を意識し今までのスキンケアにひと手間加えてみましょう。

① 摩擦ゼロのクレンジングで“酸化皮脂の膜”を落とす
肌なじみの悪さの原因のひとつである酸化皮脂は、強い洗浄では逆に角質を傷つけバリアを壊してしまいます。ポイントは「落とすけれど奪わない」処方のクレンジングを選ぶ事がとても大切です。皮脂をやさしく浮かせ、角層を傷つけない物を使うようにしましょう。

② 化粧水は“使用量”と馴染ませ方
化粧水は特に使用量をケチらずにコットンで押し込むように顔全体に馴染ませ、その後手のひらで顔を包み込むように数秒間プレスしそれを何回か繰り返すと良いでしょう。角質層の水分保持成分がゆっくり水を取り込みます。叩く・こするなどの刺激は逆効果です。

③セラミド補給で“吸い込む肌”を取り戻す
中年期になると肌は、セラミド不足が顕著です。化粧水の浸透を感じにくい人ほど、セラミド配合の美容液・クリームを併用すると、角層のすき間が整い、翌日から化粧水の入り方が変わることがあります。

上記①・②・③を試しても改善しないと感じた方は、角質層を柔らかくする「プレケア化粧品」を取り入れると良いでしょう。
乾いた土に水がしみ込みにくいように、乾いた肌にも化粧水が入りにくくなります。プレケアはその土をやわらかくする役目をしてくれます。
化粧水前に使う導入液・プレエッセンスなどは、角層をふっくら柔らかくし、化粧水が入りやすい状態をつくります。特に、アミノ酸系保湿成分や角質環境を整える発酵エキスなど、分子サイズ(直径)が小さく吸湿性の高い保湿成分は40代以上の女性の肌との相性が良く、バリア機能を守りながら浸透を助けます。
大切なのは、化粧水の通り道をつくるスキンケアなのです。「化粧水を変える」よりも「化粧水が入る肌に整える」こと。肌の通り道を整え全体に行き渡れば化粧水後、ご使用の化粧品の効果もぐっと実感しやすくなります。中年期からの保湿ケアには、“足す”より“整える”。その視点が、肌の未来を大きく変えていくのです。
執筆者プロフィール

- 顧問
- ドイツ留学にて、皮膚理論や毛髪理論、エステティックの技術などを学び美容外科・皮膚科で美容カウンセラーを経験。現在は多くの企業やエステサロンと契約して化粧品プロデューサー、ビューティーアドバイザーとして海外でも活躍中。
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